日本語の使役受身使役受身の違いとそれぞれの使い方

日本語の使役・受身・使役受身の違いと分かりやすい覚え方

よくある間違い

2025.01.28

MAYU

日本語が少しわかるようになってきた学生たちがつまづきやすいのが『使役』『受身』『使役受身』の使い分けです。それぞれの文法自体も難しいですが、この３つの使い方の違いに混乱する方が多いので、ぜひ教える時や覚えるときの参考にしてください。

使役受身使役受身の意味と使い方の見分け表

	意味	例文	ポイント
使役	人に命令/強制、許可する、感情を生む（命令、許可などをした人が主語） let/make someone do something.	お母さんは子供に毎日勉強させました。（強制）体調が悪そうだったので、部下を早退させました。（許可）私は毎日電話して、母を安心させました。（感情の発生）	後悔があるときは、『使役＋てしまう』など他の文法と一緒に使う場合もある
受身	動作を受けた人/ものが主語で文を作ることができる（事実、不満があるとき） (Subject) is done by someone.	観光客に道を聞かれました。（事実）妹に私のケーキを食べられました。（不満）	日本語は主語はあまり変わらないことが多いため、自分が受けた動作を話すときも自分が主語になる。英語のように主語をよく変える言語ではない。
使役受身	命令を受ける、強制（命令、強制を受けた人が主語） I was forced to do something by someone.	私は母に買い物に行かされました。	使役との違いは命令や強制・許可をした人が主語か、受けた人が主語か。これがわかると違いがわかりやすい。

英語の『let someone do something』『make someone do something』と同じで他の人に何か動作を命令する、依頼するという意味。この場合の主語は動作を命令する・依頼する人。

S（主語）は、人に＋〜を＋動詞使役形（他動詞）
S（主語）は、人を＋動詞使役形（自動詞）

英語の『(Subject) is done by someone』のように、他の人から動作を受けたとき、動作を受けた人の視点から文を言うときに使う。

MAYU

英語と違って、日本語はあまり主語を変えません。例えば”私”について何かを話しているとき、主語は基本的にずっと”私”です。なので『彼が私に言いました。』よりも『私は彼に言われました。』の方が自然に聞こえるんです。

S（主語）は、人に＋〜を＋動詞受身形

自分のことを話していていると明確な場合や、前の会話や文章から主語が明確な場合は、主語は言わなくてもいい。

英語の『someone forced me to do ~』を動作を受けた人の目線で『I was forced to do ~ by someone』と言うイメージ。動作の命令・強制を受ける意味で、受けた人が主語になります。

MAYU

使役は命令・強制をした人が主語、使役受身は動作の命令・強制を受けた人が主語です！使役受身は『嫌なのに、、、』という気持ちが含まれていると覚えておくとイメージしやすいです！

S（受けた人）は、人（命令した人）に＋〜を＋動詞使役受身形

	辞書形	使役形
グループ①	-u音書く、遊ぶ、飲む	-a+される -a＋せられる書かされる、遊ばされる、飲まされる書かせられる、遊ばせられる、飲ませられる
グループ②	-る食べる、見る、寝る	–る＋させられる食べさせられる、見させられる、寝させられる
グループ③	する、くる	させられる、こさせられる